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~花の玉手匣~
第1章  皇子の名

「わたしの赤ちゃん。お腹いっぱいで、満足しましたか?」

つられて破顔し、甘い声でささやきかける。

あ~ う~…と、赤子が応えたような気がして、玉蘭の中にますます愛しさがこみあげた。

我が子の小さな掌に、そっと人差し指を押し当てる。

すると乳児は、ぎゅー…と母の指を把握した。

その力強さに、「わたしはこの子に頼られている」という実感が沸き上がる。



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