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~花の玉手匣~
第2章  星降る夜のわがまま姫

「もうっ、呂栢なんかキライ! 大っ嫌いっ!」

そして卓上へ身を乗り出し、弟皇子が読んでいた草紙を奪い取ると、それを呂栢めがけて投げつけた。

草紙の角が呂栢の額をかすめ、うっすらと血が滲む。

「美紅っ!!」

思わず玉蘭は立ち上がっていた。

皇子も目を丸くしている。

「わがままもいい加減にしなさい!」

「――――」

母に怒鳴られ、美紅姫の頬がこわばった。

そしてみるまに涙があふれた。



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