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~花の玉手匣~
第1章  皇子の名

「心配しないで。お母さんがずっと傍についていますからね」

たとえ自身の命と引き換えても、この無垢な微笑みを守り抜く。

なにせ、この子は今上帝の一粒種。たった一人の皇子なのだ。

「…………」

たった一人?

ほんとうに?

そのとき突然、玉蘭の胸中に得体の知れぬざわめきがつむじ風のように巻き起こった。




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