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~花の玉手匣~
第2章  星降る夜のわがまま姫

「姫さま」

呂栢に呼ばれて、美紅姫はうつ伏せの身体をぴくりと反応させた。

きまりが悪くて顔をあげられない。

「お話がございますからお起きください、姫さま」

お話…。

やっぱり叱られるのだろうか。

美紅姫はのっそりと身体を起こした。

辺りの空気は日暮れ色に染まっていた。



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