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~花の玉手匣~
第2章 星降る夜のわがまま姫
「ほんとに!? 呂栢とお祭りに行けるの!?」
美紅姫は目をキラキラさせて兎のように飛びはねた。
それを呂栢が口許に人差し指を当て「しーっ」と制する。
「ただし、お約束いただきたいことがございます。
まず、お祭りに行くことは呂栢と姫さまだけの秘密です。決して誰にも――お母上さまにも、知られてはなりません」
美紅姫は「はっ」として両手で口を覆った。
「もし後宮を抜け出したことが公になれば、呂栢は皇帝陛下から罰を受け、職を解かれます。姫さまも、きっとたくさんお仕置きされます。
……ですから、内緒にできますか?」
美紅姫は口を覆ったまま、こくこくと頷いた。