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~花の玉手匣~
第2章  星降る夜のわがまま姫

美紅姫は神妙に頷いたものの、内心わくわくしていた。

呂栢とふたりだけの秘密。

誰にも内緒で外に遊びに行く。

変装して北門の役人を出し抜くのだ。

こんな経験、もちろん初めて。

地味な襦裙に袖を通しながら、美紅姫は思わず口元をほころばせた。

呂栢は美紅姫の髻をいったん解き、修童女の髪留めでひとつに括りなおした。

かわいい庶民の娘姿である。



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