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~花の玉手匣~
第2章  星降る夜のわがまま姫

「そろそろ灯籠を買いに参りましょうか」

日が沈み、夜風が吹き抜ける屋台の長椅子で呂栢が促した。

美紅姫は、後宮の食事では考えられないほど無造作に盛り付けられた焼きそばを、あっという間に完食したところである。

お腹いっぱいで、少し眠くなってしまったかもしれない。

しかし、待望の時間はこれからだ。

美紅姫は目をこすりながらうなずき、席を立った。

見れば、いろいろな形・大きさの灯籠を手にした人々の流れが川のほうへ向かっていた。



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