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~花の玉手匣~
第2章 星降る夜のわがまま姫
専門店に入ると、呂栢は最高級品の灯籠を購入し美紅姫に持たせた。
外枠の紙はかなり上質で、天女の透かし絵が描かれている。
「これは東洋の国で作られた和紙というものでございます。とても丈夫で破れにくく、必ずやお嬢さまの願いを乗せて星詠さまのもとへ届くことでしょう」
店主はニコニコと説明した。
美紅姫はうれしそうに微笑んだ。
外へ出ると、往来はいっそう激しくなっていた。
人の波に押しつぶされそうだ。
呂栢は美紅姫を抱き上げ、流れにまかせて大橋へ向かった。