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~花の玉手匣~
第2章 星降る夜のわがまま姫

「わ~…」
ため息にも似た歓声が口から漏れたのは美紅姫や呂栢だけではなかった。
みな口を半開きにしたまま天を仰いでいる。
あまりの美しい光景に、誰もかれもしばし身動きとれずにいた。
「ね…呂栢。星が…星が落ちてくるわ……」
美紅姫の心はうち震えていた。
夜空に、ふわりふわりと浮かぶ無数の光たち。
それは確かに上昇しているはずなのに、まるで降り注いでくるような錯覚に陥るのが不思議だった。
「みどもも、これほどまでに素晴らしいものとは存じませんでした…」
呂栢も感嘆していた。

