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~花の玉手匣~
第2章 星降る夜のわがまま姫
「さあ、姫さま。すべての灯籠が天の川へ届いてしまう前に、星詠姫へお願いごとをなさいませ」
呂栢は美紅姫を腕に抱き上げた。
美紅姫がきょとんとして呂栢の顔を見、そして周囲を見渡すと、人々は目を閉じたり、合掌したり、夜空へ手を伸ばしたりして思い思いに願いをささげていた。
「なにをお願いすればいいの?」
天空を彩る幻想的な光景だけでもう既に胸がいっぱいになっていた美紅姫には、気の利いた願いごとが咄嗟に思いつかなかった。
呂栢が微笑した。