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~花の玉手匣~
第1章  皇子の名

玉蘭は皇子を抱く手に力をこめた。

(わたしはこの子を東宮に、未来の皇帝にしてみせる)

ぜったいに敗けない!

そのためなら、鬼にも魔にもなると決めたのだ。

しかし――

威勢のよい気合とは裏腹に、玉蘭の内心にはそこはかとない不安と疑心暗鬼が渦巻いていた。

何かを守る強さと、それを失うかもしれないという恐怖心は常に紙一重なのだ。


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