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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
「おし、降ろすから掴まってな。」

ゆっくりと降ろされる。

「冷えたから少し浸かろうか。」

「はい。」

ハルトは反省したのか、隣で静かにしていた。

「空見えないですね。」

「そうだな。樹がうっそうとしてるからね。」

「空が見えたら星が綺麗でしょうね。」

「部屋の庭の方が少し見えたよ。明日は早くに探検して、女将さんに聞いて星が見える場所いってみるか。」

「はい。」

お風呂どころか宿も山も二人で占領しているようで、とても贅沢だった。


「何だか、おとぎ話とか昔話みたいですね。」

廊下を歩きながら話す。

「どうに?」

「本当に静かで、素敵で、宿を出たら、そこには何もなくて、行きたくても二度と行けなかった。みたいなお話があったような。」


「ん…その話眠るときして?」

「あの…似たようなお話はたくさんあって、はっきり思い出せないです。」


「適当でいいから、」

「舌切り雀の雀のお宿だったかなぁ…」

「それでいいよ。ルリの創作でいいし。

でもその前に、さっきの続きしてからね。」

「さっきの?」

「俺、不発で、終わってないから」

「あ…」

「その前に延泊できるか聞いてみてよ。」

「はい。」
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