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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
雀のお宿についたのかな…

朝、鶏の鳴き声で目覚める。そうだ鶏を飼ってるって言ってたっけ…

「……だから…小さいのを…くれ…」

ハルトが起きたのかカバッと抱き締められた。

「おはようございます。」

「ルリ…小さいのでいいって言うのに…

雀たちが大きいのを持たすんだ…」

「ハルト…夢ですよ…」


んあっ…

「そうか…夢だったか…
あ、庭…」

ハルトが障子を開ける。

「思ったほど広くないな。」

「見えないって、ずいぶん違うんですね。」




「あっ…また逃げられちゃいました…」

「女将さん、魚釣れなかったら、俺達昼飯ないの?」

「いえ、朝釣ったものがありますから大丈夫ですよ。」


ハルトは1日中ゴロゴロしていればいいと言っていたけど、
女将さんに勧められ、渓流釣りをすることになった。

とは言え、かれこれ1時間近くなるのに、魚の姿すら見ていないのだ。

「あ〜、せっかくだから自分で釣ってみたいなぁ〜」

ハルトがすぐに飽きるかと思ったら、根気よく続けていた。

「でも餌が食べられてるから、いるってことですよね。」

「そうですよ。魚だって生きるのに必死なんですから、簡単に捕まりませんよ。」

女将さんが笑顔で言った。
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