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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
「ハルト…餌つけてください。」
「きっとルリのこのタイミングで逃してるんだよなぁ」
餌の虫が触れなくて、ハルトにつけてもらっているのだけど、
ハルトはそれが釣れない理由だと言うのだ。
でも虫は触れない。
ハルトは文句を言いながらも、自分の竿を岩に置いて餌を付けてくれた。
「あっ…引いてます。」
女将さんが教えてくれる。
急いでアタシに竿を渡しハルトは自分のを取る。
「かかった。ルリも引っ張ってごらんよ。」
ハルトに呼ばれて手を重ねて引く。
竿を引っ張って暴れる魚の動きが振動から伝わる。
「あっ…かかってますね。」
「そうだろ。こんなにはっきりわかるんだな。」
ハルトがリールを引いていくと水面から魚が現れた。
ハルトの表情を見るだけで満足しそうだ。
「あら、こっちも引いてますよ。」
慌てて岩に置いた竿がしなっている。アタシも自分のを取り、引き始めた。
「ハルト、アタシにも来ました。」
「しっかりリールを巻くんだよ。」
ハルトの魚が水面から現れてパシャパシャと水飛沫が上がる。
アタシも竿を引いてはリールを巻いていった。
「きっとルリのこのタイミングで逃してるんだよなぁ」
餌の虫が触れなくて、ハルトにつけてもらっているのだけど、
ハルトはそれが釣れない理由だと言うのだ。
でも虫は触れない。
ハルトは文句を言いながらも、自分の竿を岩に置いて餌を付けてくれた。
「あっ…引いてます。」
女将さんが教えてくれる。
急いでアタシに竿を渡しハルトは自分のを取る。
「かかった。ルリも引っ張ってごらんよ。」
ハルトに呼ばれて手を重ねて引く。
竿を引っ張って暴れる魚の動きが振動から伝わる。
「あっ…かかってますね。」
「そうだろ。こんなにはっきりわかるんだな。」
ハルトがリールを引いていくと水面から魚が現れた。
ハルトの表情を見るだけで満足しそうだ。
「あら、こっちも引いてますよ。」
慌てて岩に置いた竿がしなっている。アタシも自分のを取り、引き始めた。
「ハルト、アタシにも来ました。」
「しっかりリールを巻くんだよ。」
ハルトの魚が水面から現れてパシャパシャと水飛沫が上がる。
アタシも竿を引いてはリールを巻いていった。