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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
ハルトは軽く返事をして、どんどん食べている。
朝ご飯はほとんど食べないと言っていたけど、嘘のようだ。

「最後におじやにして、全て召し上がって下さいね。」

ハルトは女将さんがお膳に出した生卵をチラチラ見ながら、慌てて食べていく。

「女将さん、食べ終わったよ。おじやってどうするの?」

卵の入った器を引き寄せて女将さんを見るハルトは、また、子供になっていた。

女将さんから説明を受けて、ご飯を鍋に入れ卵の片手割りを披露して溶き卵を作っていく。

卵料理が大好きなハルトには堪らないのだろう。
蓋をして蒸気が吹き上がるのを見たら、蓋を開け、さっと混ぜて、茶碗によそっていた。

「美味いなこれ〜、うちでもやろ?ルリ。
ルリのおじやも作ってやるから、早く食べな。」

女将さんは給仕することがなくなって、

「ごゆっくり。」

と笑顔を残して部屋を出ていった。

ふぅ〜

「どうしたの?ため息ついて、ルリ。」

「やっぱり少し緊張するから、」

「女将さんに?」

それもあるけど、ハルトがおかしなことを言い出さないかが心配で…とは、もちろん言えない。

ハルトは、

「朝から腹一杯食べた。」

と座椅子に寄りかかっていたけど、ワタシが食べ終わるのをみて、約束通りおじやを作ってくれた。
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