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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
蕎麦作りも楽しんだ。
捏ねるのは力のあるハルトが上手だったが、切るのが上手く揃わないと任された。

延泊したことでのんびりできると思ったが、誕生日だということはすっかり忘れてしまっていた。

少しだけ出来立ての蕎麦を湯がいて味わった。
新鮮なのと自分たちで作ったからか、美味しく感じた。
お昼には天ぷら蕎麦になって出てくるのを期待して、ハルトと分かれる。

草木染めも一緒に楽しみたかったけど、ハルトも休みたいのだから我慢した。

草木を煮出して染める液を作り、布を縫い絞ったり、蝋を垂らして柄を作る。

ハルトの分も作るので縫い絞る作業に時間がかかった。

染料につけて水で流し、絞ったまま乾かす。

糸を抜いたり蝋を落とすのは、してもらえるらしく出来上がりが楽しみだった。

コンコン…

「ハルト?」

「ルリ、お帰り。」

部屋に戻るとハルトは掛け布団を丸めて背もたれにして、軽く横になっていた。

「おいで…」

バラバラに行動したのが寂しくて、
浴衣の開いた襟元から見える胸板に引き寄せられて、広げられた腕の中に飛び込んだ。

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