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堕散る(おちる)
第25章 step25 十九段目…卵
ハルトの気合いの入れようにちょっと驚いた。

とりあえず制服に着替えて宿題に取り掛かる。

ハルトは卵を温めながらモニターを見ていた。

「ハルト、珈琲淹れますね。」

「ああ…」

母との話がしたくて宿題を終えて珈琲タイムにする。

コポッ…コポッ…

ハルトの好きな音と香りがし始める。

ハルトはモニターを見て、卵を撫でるように温めていた。

「珈琲入りましたよ。」

背にしている机側に置くとようやくこちらを向いてくれた。

「母と、昨日バースデーケーキを食べました。」

「うん…」

「進路のことを訊かれて、働きたいと言ったんですけど…」

「反対された?」

「反対までではないですが、進学しないのは父親がいない、母1人だから遠慮してるのではないかと、
母自身が学歴や資格がないことで苦労したから、
もう一度考え直すようにと…」

「そっか、普通の親なら心配するよな。
説明に行こうか?」

「まだいいです。学校に話すのが夏休み前なのでそれくらいまでには話せれば…」

「そう?俺はいつでもいいよ。」

「はい、でもまだ大丈夫です。」
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