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堕散る(おちる)
第27章 step27 二十一段目…初夏
ぴよちゃんはもう食べる時にピィピィ言わない。
まだひよこだけど赤ちゃんではなくなったようだ。

ハルトはケーキの美味しい店を調べていたようで、電車で向かう、ぴよちゃんは静かにしていれば、ゲージのカバーは掛けられない、
暇潰しの巣材を入れてあって、せっせとちぎっては巣箱に溜めて遊んでいた。

親を見て子は育つというけど、乗客の視線をかなり集めているにも関わらずハルトは平然としている。
人を寄せ付けないオーラが出ているからか、
興味津々で見ているおばあさんも声をかけれずにぴよちゃんをじっと見ている。
ぴよちゃんもハルトに倣って我関せずと巣作りに勤しんでいた。

目的地に着くと、
「ぴよちゃん、食べ物屋さんだからな。」

声をかけてカバーをする。
ぴよちゃんも黙って従っていた。

「さて、どれにするかルリに決められるかな。」

店は混んでいて列が出来ていた。

ショーケースに並んだ色とりどりのケーキ、宝石箱のようにキラキラしていて目移りする。

「ベリーのケーキ美味しそう。」

「お、ルリにしては早く決まったな。
俺はビターチョコにしようかな。」

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