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堕散る(おちる)
第28章 step28 二十二段目…夏休み…入社試験
「おはようございます。」

コオッ…

事務所に入るとハルトより先にぴよちゃんが出迎えてくれた。

いや、邪魔者が来たと抗議しているらしい。

コツコツと床を嘴で突っつき、ワタシを見上げて鳴いていた。

「ぴよちゃん、おはよう。」

抱き上げようとすると、
コオッ…
もう一度鳴いてハルトの足元に走っていってしまった。

「あはは…おはよう。えらくぴよちゃんに嫌われたな。」

「留守番させられたの怒ってるんですね。」

「ああ、帰ったら巣材をあちこちに散らかして凄いことになってたよ。」

コオッ…

ハルトに抱き上げられて膝を占領しながら、ぴよちゃんがまた抗議の鳴き声をあげる。

「はぁっ…」

「ルリ、おいで…」

呼ばれてハルトの前に立つと腰と頭を引き寄せられてキスされた。

チュッ…

んん…

ワタシは恥ずかしくなってロッカーの方に向かう。

「ぴよちゃんはキスくらいじゃ機嫌直してくれないからなぁ。」

「キスしたんですか?」

「は?まさか、唇が血だらけになるだろ…」

コッ…コッ…

「じゃあ…」

「1時間ブランコ漕がされてビーサン飛ばし続けた。」

「あら、ぴよちゃん、それはハルトが可哀想よ。」
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