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第31章 step31 二十五段目…Ｂ１階 初仕事

｢うん、今日はこれ以上スピードをあげるのは無理だな。おいで。｣

手綱を離した王様がチョコレートの腹のほうにきて両手を広げる。
ワタシは迷いなく王様の胸に飛び込んだ。

ｸﾙｯと反転して下ろされる。

｢俺はだいぶ信用されたらしいな。｣

ｷﾞｭｯと抱き締められた耳元で王様に囁かれた。

ワタシは返事の代わりにｷﾞｭｯと王様に抱き着く、

｢やばいな、これ以上は…｣

王様が腰から先に離れていった。

｢部屋に戻ろう。｣

王様が何故ヤバいと言うのか、部屋に戻って何をするの？

ズルいワタシは王様から抱いてくれないかと期待していた。

また、手を繋ぎガラス戸を開けると、また2人のメイドが待機していた。今日は王様の隣にすぐに座って、おとなしく洗ってもらった。


｢さあ、汗をかいただろう。シャワーを浴びてきなさい。｣

ワタシは素直に従う。
王様に譲るべきとか、そういったやり取りをしても、王様の決めた通りにしかならないのだから無駄だ。そう思った。
こうして、威圧的に命令されることなく、王様に従う体制がついていることに気がつかなかった。