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堕散る(おちる)
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
王様が何か呟いたのは聞こえていなかった。

ぴったり貼り付いた服を脱ぐと、体まで赤くなっていた。誰が見ているわけでもないのに、慌てて浴室に入りシャワーを浴びた。
念入りにボディーソープをつけて、隅々まで洗っていった。

浴槽に浸かるが、やはりのぼせないように早めにあがった。

就寝用の踝丈の服を着る。
交代で王様がメイドと共にバスルームに行った。

ワタシは本棚から1冊選んで眺めていた。

花の写真集だった。

王様が出てきて、メイドはそのまま下がる。

「今日は少し飲もうかな。」

「じゃあおつまみを用意します。」

「楽しみだな。」

封を開けて切って並べるだけ…
それでも美味しそうに飾り付けるように意識した。

王様がキッチンに入ってくる。

「せっかくお楽しみにしようと思ったのに…」

「悪いがつまみでワインのテイストを決めたいからな。」

「あっ、そうですね。」

「ブルーチーズを使っているから、渋めの赤ワインにしよう。
君にはカシスオレンジジュースだな。」

王様がクラッシュアイスをグラスに入れて、オレンジジュースの上にカシスジュースをゆっくり入れる。
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