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堕散る(おちる)
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
「もういいよ。タオルだけ持ってきてくれ。」

メイドは会釈してバスルームに向かいホットタオルを持って戻ってきた。合わせて顔を洗ってきたようだ。

「自分でやる。」

王様はメイドにさせずに自分で拭い、タオルをメイドに戻す。

受け取ったメイドは無言のまま会釈して部屋を出た。

「おはよう。すまなかったね、付き合わせて…」

王様は抱えたままのワタシの頭を撫でて言う。

「おはようございます。」

ワタシは挨拶だけをした。

巻き込まれて嫌だったわけではない。羨ましかっただけ…

王様はお詫びのつもりか労るように頭を撫でる。
ワタシは引き寄せられたままに王様の胸に頭を乗せていた。

「朝食まで少し散歩しようか。」

「はい。」


「もう少し先だったら花も沢山あるんだがな。」

森を歩き庭を見る。小さな花ばかりだけど外に出て花を見れば気が晴れた。

「温室にいくか?」

「はい、是非。」

色とりどりのチューリップ、八重や花びらの形が変わっていてチューリップに見えないものなどもあった。

「あ、あの…チューリップを切ってお部屋に飾ってもいいですか?」

「ああ、いいね。部屋が明るくなるだろう。」
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