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第31章 step31 二十五段目…Ｂ１階 初仕事

王様が近くにいる庭師から鋏を借りてきてくれた。

｢好きなだけ切っていいぞ。｣

ワタシは沢山ある中から一つ選んで切った。

｢もっと沢山きらないのか？｣

｢良ければ毎日一つずつ飾ってもいいですか？
少しずつ楽しみたいので…｣

｢そうか、日替わりか…
確かに毎日同じじゃ飽きるもんな。俺もそうだ。だからメイドばかり沢山いる。｣

花とメイドを一緒にされてもと思ったけど、限られた空間に居たらそうなってしまうのかもしれない。

王様がどんな仕事をしているのか、またしていないのかわからないけど、
ワタシは王様の気分転換のために期間限定で呼ばれたのではないかと考えた。


ガラス戸に戻ると、また足を洗う為のメイドが待っている。

王様は執事やメイドたちと必要な会話しかしない。
お喋りがないからつまらないのだと思った。

｢あら、チューリップ可愛いですね。｣

ワタシの足を洗う少し年配のメイドが言う。

｢はい、温室に沢山咲いているんです。｣

｢あら、そうなんですね。素敵ですね。
昔、奥様がそうやって切り花にしてあちこちに飾っていらっしゃいましたわ。｣

王様のお母さんだろう。