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堕散る(おちる)
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
そして、この人は温室にチューリップが咲いているのを知らなかったようだ。
もしかして従事者は皆、自分のテリトリーのことしか知らないのではないか、そんな気がした。
他のメイドが花瓶をいくつも持ってやってきた。
「お部屋に飾られるとお伺いして、いくつか探して参りました。どれになさいますか?」
庭師から聞いたのだろうか、花瓶を用意してくれたのだ。
持ってきたメイドと奥様の話をしたメイドと3人であれこれ相談する。
王様は面倒だったのか、
「先に部屋に戻っている。」
と言い残していなくなってしまった。
透明なガラスのものにして葉が見えるようにしたいというところまでは、すぐ決まったものの、残った3つから絞れなかった。
「3つとも持っていって、色々変えてみてはいかがですか?」
「それがいいです。お花も毎日変える予定なんです。」
「じゃあ、しばらく花もちするから、出窓や洗面台に飾っては?」
「ありがとうございます。そうします。」
決められないワタシには、とてもいいアイデアだった。
ハルトはこんな時、勝手に決めてしまうけど、王様は待ってはくれないんだな。
少し寂しく思った。
もしかして従事者は皆、自分のテリトリーのことしか知らないのではないか、そんな気がした。
他のメイドが花瓶をいくつも持ってやってきた。
「お部屋に飾られるとお伺いして、いくつか探して参りました。どれになさいますか?」
庭師から聞いたのだろうか、花瓶を用意してくれたのだ。
持ってきたメイドと奥様の話をしたメイドと3人であれこれ相談する。
王様は面倒だったのか、
「先に部屋に戻っている。」
と言い残していなくなってしまった。
透明なガラスのものにして葉が見えるようにしたいというところまでは、すぐ決まったものの、残った3つから絞れなかった。
「3つとも持っていって、色々変えてみてはいかがですか?」
「それがいいです。お花も毎日変える予定なんです。」
「じゃあ、しばらく花もちするから、出窓や洗面台に飾っては?」
「ありがとうございます。そうします。」
決められないワタシには、とてもいいアイデアだった。
ハルトはこんな時、勝手に決めてしまうけど、王様は待ってはくれないんだな。
少し寂しく思った。