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堕散る(おちる)
第16章 step16十段目…二人きりの休日
「ルリ、綺麗だね…」

「恥ずかしいです」

「暗闇で手が不自由なのに、一心不乱に俺を探してるんだよ?
綺麗じゃん…」

『俺はベッドで寝て待ってるから』と言ったハルトが、ベッドに腰掛けて見ている

「ハルト…寝て待ってないじゃないですか…」

「そうだよ…
ベッドにルリが、つまずかないように待ってたよ…」

「えっ?すみません…ありがとうございます…」


アタシが目隠しで見えないのをいいことに、約束を破ったとハルトに嫌味を言った…


でも、アタシの為だったと言われて、謝った…


『クチュ、クチュ…』

画面のアタシがハルトに口づけしている…

ようやく探り当て、ハルトにたどり着けたのだ…


ハルトの唇、舌、その時の感覚が鮮明に呼び覚まされる…

ハルトはずっとアタシの肩を撫でたり、髪を弄っている…

ハルトを覗いたけど、食い入るように画面を見ている…

画面のアタシはハルトを貪るような口づけをしている…

キスしたい…

画面のアタシでなく
今のアタシに気付いて?



グイッ

肩の手が、アタシの後頭部に回り…

ハルトと顔を会わせる方向に引き寄せられる…

でもハルトは画面から視線を外さない…
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