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堕散る(おちる)
第20章 step20十四段目…秋
「まだ、足りないの?」

「えっ…」

「じっと見てるからさ。」

「綺麗だなと思ってました。」

「ルリの方が綺麗だよ。
白いソファーと桜色のタオルケットに包まれて、余計に引き立てられて」

ハルトに引かれ、起こされる。
アタシが先にシャワーを浴びるように勧められた。

ハルトが浴びている間に珈琲を淹れようとしたけど、豆がなかった。

ミルや豆を用意したけど使い方がわからない。

「ルリ?
一瞬帰ったかと思ったよ。」

ハルトがミルの使い方を教えてくれる。
これで一つハルトにしてあげられることが増えた。


ガガガガガ…

固い機械音に似合わず、挽きたての珈琲の柔らかな香りが部屋に広がった。

「明日から、淹れる度に挽きますね。」


珈琲を飲みながら明日の時間割などの話をする。
一緒に居られる時間は僅かだった。




「ねぇねぇ
ルリってリュウと別れたの?」

「凄く年上の男と歩いてたって本当?」

昼休みに友達に訊かれる。きっとリュウが誰かに連絡したんだ。

「別れたっていうか、リュウが忙しいってメールがきて、そのあとリュウからメールするってきて、それっきり…

別れたのかな…
もう連絡取らないつもり

年上の人は親戚だよ。」
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