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堕散る(おちる)
第20章 step20十四段目…秋
週末にハルトの休みが重なり、久しぶりにゆっくり会える。

何故か知らない駅で待ち合わせなのだ。

デートのようで嬉しい。
少し早めに着いたのにハルトはもう待っていた。

「おはようございます。
すみません待たせたみたいで。」

「おはよ
ルリが待ってる間にナンパされたら困るから。」

「そんなことにはならないと思いますが…」

「まあ自覚がないところがルリのいいところだからね。」

ハルトが腕を出すので掴まって歩く。
ジーパン姿のハルトは新鮮で、年齢より若く見える。
堂々と一緒に歩けるのが嬉しい。

「ここだよ。」

ハルトに連れて来られた場所はランジェリーショップだった。

「えっ?」

「採寸してもらうんだよ。」

確かにいつかと言ってたけど、まさか本当に来るとは思わなかった。

「いらっしゃい。
あら、珍しいですね。」

どうみても女性物しか扱っていない店なのに、どうもハルトは常連客のようだ。

「ハルト?」

「ああ、今日はこの娘の採寸から頼む。」

「益々珍しいですね。」

店員がクスクス笑ってアタシの手を引く。

「こないだより大きくなったと思うからさ。
一度きちんと計ってよ。」

ハルトが両手を丸めてアタシのカップのサイズを示すゼスチャーをした。
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