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堕散る(おちる)
第20章 step20十四段目…秋
ハルトは、誰がみても、カッコいい部類に入る。
人を寄せ付けない俺様タイプにも見える。

まさかランジェリーショップで堂々と下着を手に取るなど想像できないだろう。

違う店なら逆ナンされてもおかしくない。

「ルリ〜、ルリ?
こっちおいで」

少し離れた棚で、探すフリをしながら、棚の間からこっそり見ていたアタシは、店内中に通る声で呼ばれる。

「は、はい。」

恥ずかしいけど急いでハルトの元にいく。

「これ、俺との休日用に…

「もう十分ですよ」

ど…

こういう返事だけは早いね…」

『恥ずかしいからこのコーナー離れましょう…』

小声で言うが、

「やだ、ルリがエロく見えるやつ買う。」

子供がオモチャをねだるような大声で反発される。

あの女性客たちとも思わず目が合う。そして、よそよそしく視線を外す。
というより怯えている。


あっ…

ハルトが物凄い形相で彼女達を睨んでいるからだ。

ハルトの肘をクイクイと引っ張り、こちらを向かせる。


「あ゛ん?
自分のオンナに好みの下着つけさせて、どこが悪い!?」


『ハルトぉ』

「社長、ご用意できましたよ。」

店長が紙袋を持ってくるがヤケに大きい。
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