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堕散る(おちる)
第20章 step20十四段目…秋
電車はガラガラなのに扉脇を占領して立っている。
ハルトはずっと鼻歌のままご機嫌だった。

アタシは、ボートネックから見えているキャミソールのストラップが、やはりギャザーレースで、
紫と青の組み合わせが目立ってないか、
ワンピースから下着が透けていないかが気になってしょうがない。

扉のガラスに映った姿を確認していた。

「ハルト、買い物袋ずいぶん大きいですね。」

「そう?
こんなもんでしょ。
後でじっくり見せてね。」

やはりショーというのは、下着のファッションショーのよう。

話をフってしまったせいで、アタシの後ろに立つハルトが腰やお尻に触ってきた。

レースの下着は着けていないような感じでモジモジ堪えるしかなかった。

「服の中、どうなってるんだろうね。」

ハルトは構わずからかってくるのでアタシは俯いて静かにしていた。

買い物を済ませ家に着く。懐かしい感じがした。

ハルトは玄関で服を脱ぎ、そのままクリーニングシューターに放り投げる。

「ルリは特別に下着だけ着けてていいよ。」

ソファーの前に連れていかれ、ハルトだけ腰掛けて見上げてくる。

「ワンピース脱いで見せて?」

子供のような笑顔でいうのだ。
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