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堕散る(おちる)
第20章 step20十四段目…秋
ハルトがどんな風に買い物をしたのか、一緒に行きたかった。いや、こっそり覗いて見たかった。


サラダを先に盛り付ける。

「アタシが声をかけたらライスを盛り付けてくださいね。」

「わかった。」

こうしてオムレツを作る。ハルトが真剣に見ているのがわかる。

「ライスお願いします。」


「ルリ…こんなでいい?」

「少し多いかも…」

「俺が食べるからいいよ。」

オムレツの形のままライスにのせて包丁をいれる。


柔らかい皮が重さで広がりトロトロの中身が現れる。

「うわぁ…すげえ」

ハルトがフライパンを持ち、卵を入れる。

「よっ…それ…」

卵に声を掛けながらまとめていった。

ライスを用意して出すと、慎重にオムレツを乗せる。

「切るのもやっていい?」

「もちろん。」

お皿を持ち上げてハルトが切りやすい高さにする。

「ほら…

あれ…」

広がりはするものの、ほんの少しの火加減で、トロトロが少なかった。

「なんで違うんだ?」


「難しいんですよ。初めてでオムレツになるだけでも凄いんですよ?
アタシなんかいっぱい失敗しましたから。」
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