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堕散る(おちる)
第20章 step20十四段目…秋
ガサガサ…ドサッ…

ヒャァア…

すぐそばの木が揺れて何かが落ちてくる。

「ルリ…」

「ハルト?」

木に登って隠れていたようだ。

腰が抜けてしまったアタシを、引っ張りあげて立たせるハルトに抱きついて、胸を叩く。

「遊具だけっていいましたよね?」



顔を埋めて俺の胸を叩くルリが可愛かった。

「置いていかれたと思った。」

「遊具を一生懸命探すルリを見てたよ。ハハッ」


「ルリ?泣いてるの?」

「な、泣いてません。
家まで帰れるか不安になっただけです。」

俯いて叩き続けるルリを剥がして覗くと、涙の跡が見える。

「寂しい思いさせてごめん。」

黙ってまだ叩いてくる。
ギュッと抱き締めておでこにキスをする。

「帰ろ、ルリ…」

コクリと頷くのでそのまま肩に手を回して連れて帰った。

「方向音痴だから、帰れなくなったらって思ったんです。」

肘で脇腹をつつかれる。

「だってここからも見えるよ?ウチ」

「見えてても道がわからなきゃ帰れません。」

ププッ…

また泣きそうなので頭を撫でて連れて帰る。
拗ねたルリを見るのは初めてだった。

小さな声でブツブツ呟くルリを撫でながら、家に帰った。
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