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堕散る(おちる)
第21章 step21十五段目…愁秋
「あの…皆さんはハルトと一緒に暮らしてたことがあるんですか?」

「いや、親父がアイツを拾った時には、俺はもう家にいなかったからね。

親父がすぐにマンション借りてそこに住まわせたらしいよ。」

「そうなんですか。」

「きちんと生きてるか、逃げ出さないか、たまに確認に行かされたよ。」

「そうだったんですね。ありがとうございました。」

「最初は動物みたいだったかな。怯えてるのに鍵も掛けずにベッドから離れなかった。

親父がしょっちゅう行っていたようだけど、仕事を紹介した辺りから落ち着いてきて、

しばらくしたら見張りはいらないと拒否されてそれきりにしましたよ。

アイツの話はアイツに聞いたらいい。

僕はせっかくのデートをアイツの思い出話で終わらせるつもりはないですよ。」

その声の強さに怒らせてしまったと気づいた。

その後は食事の内容の話に戻り、また、穏やかになる。


食事終わったら出かけるのかな…

悪い人ではなさそうだけど、ハルトのことをよく思ってないのは明らかで、二人でいるのは辛かった。


食事が終わり、テーブルが片付けられる。

アタシは相手の出方を待つしかない。
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