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堕散る(おちる)
第21章 step21十五段目…愁秋
アタシは仕事と思って割り切っていた。

息子さんの待つ部屋に行きベルを押す。

「どうぞ」

物静かな穏やかな声。
アタシは扉を開けた。

「ルリちゃんだっけ、ようこそ。」

30歳は過ぎているだろうか。おじさまと同じく関西弁なんだろうと決めつけていたので印象が違い驚いた。

「はじめまして…」

案内されるままコートを渡し、椅子に腰掛ける。

「いきなりデートと言われても緊張するよね。
親父が君のこと話しててね。
一度会ってみたいと言って今日はお願いしたんだよ。
でも話どおり綺麗だね。」

物腰も穏やかで紳士な感じにアタシは少し落ち着いた。

ベルがなり料理が運ばれてくる。おじさまの時と同じでご馳走が並べられていく。

「まずは乾杯。」

シャンパンとジュースのグラスを合わせる。

「あの…ハルトは、食事…」

「アイツの部屋にも同じもの届いてるから、気兼ねなく楽しもうよ。
今日は僕とデートしてるんですよ。」

お互いにアイツと言う二人は仲が悪いのだろうか。

穏やかな話し方だけど、しっかり言われてしまい、この話を受けなければ良かったかと思い始めた。


料理の説明やら感想を話して食事がすすむ。
アタシはハルトのことやおじさまのことを知りたかった。
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