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堕散る(おちる)
第22章 step22十六段目…初冬
「ん…たぶん凄く上手くできたと思う。」

すぐ火を止める。

「ルリは見ないの?」

「スが入っちゃいますからね。ハルトを信じます。」

出来たものを並べ茶碗蒸しを出す。

「いただきます。」

真っ先に茶碗蒸しに向かうハルト。

「うん、とろとろ〜」

アタシも茶碗蒸しを口に運んだ。

「凄くいい感じに出来てますね。」

ハルトは嬉しそうだった。

「ルリ、プリンも作れるんだろ?
おやつにプリン作ろ?」

「ん〜卵食べ過ぎだから、明後日にしませんか?
フルーツや生クリームも買ってプリンアラモードにしましょう。」

「ん…わかった。」

最初は残念そうだったハルトの瞳が、プリンアラモードと聞いて輝いていた。


ハルトはお浸しも何もかも残さず食べてくれる。

一人の時偏った食事になってないか心配なので、来たときくらいはバランスを考えて作りたい。


洗い物をして食後の珈琲を飲む。
今回来てからハルトがあまり触れてこないのが気になっていた。


「ハルト…」

アタシはハルトの胸にすがりついた。

「ん?」

「キスしてもいいですか?」

「ん…シタイの?」

「はい。ハルトは違うんですか?」

「いや?」
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