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堕散る(おちる)
第22章 step22十六段目…初冬
ハルトに奪われるように事に至ることが多いので、自分から切り出すのは恥ずかしかった。

ハルトが待っているのでキスをする。

唇を重ね、舌でなぞる。
物足りないのかハルトの舌が口内に入ってきた。

チュッ…クチュッ…

ハルトの手が胸にやって来た。

「寝室にいこうか…」

手を引かれ立ち上がって思い出す。

「ハルト…スジ肉だけ煮込んでもいいですか?」


「んあ?…あぁ」


キッチンに立つとハルトもついてくる。

湯を沸かしブイヨンを溶かすまで、ハルトはスジ肉にフォークを突き刺していた。

切り分けてフライパンでさっと炒めて鍋に入れる。

「コイツに邪魔されたな。」

「ごめんなさい。煮込んでおかないと柔らかくならないので…」


「ふん…ルリもたぎるほど煮込んでやる。」

手を洗い終えると抱き上げられる。

「ひゃあ…ハルト歩けますよ。」

「いや、逃げ出さないうちに調理してやる。」

結局降ろして貰えずベッドに放り出され、ギシギシと音を立ててハルトに組伏せられた。


「ルリも誘ったり、焦らしたりするようになるとはね…」

そういうハルトの瞳は料理していた子供のようなものから、ギラギラした男の雄のものに変わっていた。
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