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堕散る(おちる)
第22章 step22十六段目…初冬
「中華晩餐いただきます。」

「ルリ、つばめの巣のスープだよ。なかなか食べれないらしいよ。」

スープに春雨の塊みたいなものが入っている。

「これがつばめの巣ですか?」

「そうだよ。」

「何でできてるんですか?」

「つばめの巣そのもの」

「え?」

「それ以上は俺も知らない。高い岩場につばめが巣を作るらしい。
材料が何か、つばめの口から出るのか、巣材にするものが食べれるものなのか、

とにかく巣そのものなんだよ。

高い所に登って採らなきゃいけないし、いくつも出来てるものでもないし、高級らしいよ。」

「春雨じゃないんですね。」

「うん。ハハッ」

美味しいけどスープの味なのか、巣の味なのかわからなかった。

でも、あまり訊くとハルトピータンみたいに、丸ごとを持ってきてと言いそうで、味だけ堪能した。

「お客サマー、ピータン1パックですー」

本当にパックのまま持ってきた。

かなり大きくて藁か粘土のようなものにくるまれていた。

ハルトが台に乗せてアタシの方へ回す。

不思議な卵を近くで見ていた。

「お客サマー、オメシアガリニなりますかー?」

お召し上がり…なんて丁寧な言葉が片言で話される方が可笑しかった。

「後でお土産に包んで?」

「はい?モイチドおネガイー」
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