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堕散る(おちる)
第22章 step22十六段目…初冬
アタシがフルーツを切るのを覗きながら、泡立てている。

おお、回すと跡が残るようになったぞ。すげえな〜

ボウルに向かって話しているから独り言だろう。

アタシはどんどんフルーツを切っていく。

「回すのが、だいぶ重くなってきたぞ?」

「代わりましょうか?」

「いやいい。」

「一度ピンと持ち上げてみてください。」

「うーん、まだクタッとなる。へたれだな…」

ガシャガシャと混ぜている。

「ルリ、どうだ?」

「いいですね。半分を取ってもう少しやってください。」

「なんで?」

「外側は柔らかめ、間に挟むのは少し固めがいいので…」

「そうか、細かいな。」

そう言っても文句も言わず続けている。
楽しんだろうな。

「じゃあお砂糖入れますね。」

「ジャリジャリするな〜」

「それがなくなったら出来上がりです。」

「おぅ出来たよ。」

ケーキの間の部分にクリームを塗る見本を見せれば、奪うようにしてやり始める。

「なんか図工みたいだな。図工好きだったんだよ。絵じゃなくて工作ね。
間に何挟むの?」

「この薄く切ったフルーツから好きなものを乗せてください。」

「好きなものか、益々図工だな。」

ハルトの目が輝いていた。
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