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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
ハルトがするように口内を探るけど、逆に舌を捕らわれてしまう。

力が抜けて、腕で支えられなくなりハルトの胸に崩れ落ちた。

「ルリが桜と一緒に降ってきた。」

笑われてそのままハルトの腕の中に抱えられる。

ハルトにもアタシにも、ひらひらと花びらが降り、積もっていく。

「綺麗だな。本当に…」

ハルトの言葉を腕の中で味わっていた。

スゥ…スゥ…

「ハルト?」

「ん…少しだけ…寝させて…」

「風邪引きますよ…」

「ルリがくっついてれば大丈夫…」

ここのところ本当に忙しそうだった。
ハルトが補導員やビル管理の仕事だけでなく、何かしているのはわかっている。

パソコンや資料に囲まれて、モニターをチラチラ見ながら、並行して何かをしているのも…

アタシはハルトの肩に手を置いて、熟睡できるよう願っていた。

ぽかぽかと暖かい陽射しの中で体温を分かち合いながら、いつしかアタシも眠っていた。


小一時間くらい寝ただろうか…

ハルトの手がアタシの背中を撫でる。
もうそれは眠りが浅くなった時の習慣のようだ。

ん…おはよ…

キツく抱き締められる。

「もう一回散歩しよう。」
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