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その瞳に…
第25章 初めての訪問
 分野が違うと言っても、普段教鞭に立っている大河の説明はとても解りやすく、数学が苦手な舞奈も、スラスラと公式が入ってくる。

 「出来ました!」

 大河の説明で、梃子摺っていた問題が解け、舞奈は嬉しくなる。

 「先生の説明、すごい解りやすかったです。ありがとうございました」

 「どういたしまして」

 素直に喜ぶ舞奈に、大河は少し照れくさそうにお礼を返す。

 「なんなら、たまに勉強を見てあげようか?流石に、テスト前は無理だし、テスト内容は教えないけどね」

 舞奈はそれに、是非お願いします!と嬉しそうに答える。

 「そういえば、舞奈は塾に行ってないんだね」

 今時の高校生は塾に行くのが当たり前になっている。

 しかも雪音高校はそれなりの進学校。

 学生の大半は塾へと通っている。

 大河が疑問に思うのも不思議ではない。

 「私、あの勉強しなさい!って強制の空気が苦手で・・・それに、勉強なら啓ちゃん達がみてくれますし。調度二人とも得意科目が正反対ですし、私よりも頭がいいので」

 「そうなんだ。啓介さんは働いてるけど、由美さんは大学生だっけ?」

 「はい。二人とも高校は、○○高校で。大学は県内の国立です。で、敬ちゃんが文系で、由美ちゃんが理系です」

 意外だと大河は驚く。

 「なるほどね・・・」

 大河はなんとなく納得した。

 由美に初めて会ったとき、大河は自分と似た空気を由美に感じた。それは、きっと由美も感じてるだろうと思う。

 そして、今日改めて由美に会い、それを確信する。

 似た空気と理系脳。きっと由美とは思考が似ているのかもしれないな、と大河は思った。

 「じゃあ、二人で会うときは、何かあったら聞くといいよ」

 「はい」

 大河の言葉に、舞奈は嬉しそうに返事をした。

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