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その瞳に…
第29章 大人と子供
 なんとなく、あの爽やかさでそんな趣味があるとはまったく思えなかった舞奈は、驚きのあまり少し声が大きくなる。

 そんな、あまりに驚いてる舞奈が面白かったのか、大河はクスクスと笑いながら舞奈の頭を撫でる。

 「違うよ。栄子はね、前はそう言う大人のおもちゃ専門の会社に勤めていて、夜は女王として働いていたんだ。で、成滝のあのお店は奥がそう言う打ち合わせに都合が良かったからね。成滝に許可をもらって、栄子に店を紹介したら、あいつ成滝に一目惚れしたんだよ。流石に僕も驚いた」

 その時のやり取りが面白かったのか、大河はクスクスと笑いながら話す。

 「あいつってば、成滝にかなり押し押しで迫ってね。成滝はそう言う趣味がないって解ると、じゃあ女王辞めます!って宣言して、本当に辞めたんだよ。かなり人気があったらしいから、店からも先輩からも辞めないでくれって、僕にも説得してくれってきたんだよ」

 舞奈は、その話に呆気にとられてしまった。

 かなり人気があるという事は、女王としての素質がかなり高いと言うことだ。

 それなのに、好きな人の為にすっぱりと辞めれるなんて、栄子が凄いのか、そこまでいきなり惚れさせる成滝が凄いのか解らなくなってしまう。

 「で、栄子は職場も辞めてね、フリーのそういったデザイナー兼、今の店の店長もしてる。栄子が作った商品は中々好評らしいからね、前の会社と提携してやっていってるみたいだ。まあ、調度その頃あのホテルの話も出てきていた頃だったし、お忍びでやってくる人間は、結構特殊な趣味な人間が多いからね。結構需要があるらしい。まあ、僕もその一人だけれどね」

 そう言った大河は、意地悪そうな笑顔で舞奈を見つめる。

 舞奈は、実際にあそこの店で買ってきた物で色々されている為、恥ずかしさの余り顔を真っ赤にしてしまう。
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