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その瞳に…
第32章 ~モノローグ5~
 僕は短くなった煙草を消し、新しい煙草に火をつける。

 先輩は渡辺の事を、なかなか手強いと言っていた。

 まあ、自分の欲望の為だけに、色々な女性に手を出し、ストーカーや暴漢までする奴だ。手強いのは当たり前だろう。

 しかし、僕はあまり心配はしていなかった。

 先輩ならば確実に渡辺を調教してくれるのが、解っていたから。

 ふう、と煙草を吐くと、気分が落ち着いてきたのか段々眠気が襲ってくる。

 流石に、今夜は頑張り過ぎたようで、体の疲れも見えてきた。

 (そろそろ、またジムにでも通わないといけないかな・・・)

 調教には、体力と気力が必要になる。

 しかも相手が10代の若さがある為かなりの無茶ができるが、それで自分の体力が追いつかなくなってしまうのは、なんとも情けない気分になる。

 ご主人様の威厳を保つためにも、時間を見計らってジムに通うことを決めた僕は、水を一杯飲み、寝室へ戻る。

 リビングから漏れる光で浮かび上がる、愛しい人の寝顔。

 昨日、今日と、渡辺が舞奈に触った事で湧き上がった嫉妬心でかなり激しくしてしまったが、それを全て受け止めた小さな体。

 僕はベッドに入り、舞奈の頭を撫で、抱きしめる。

 暖かい舞奈の体温を感じると、眠気はすぐに来た。

 起きてからも、時間はたっぷりある。

 今は、睡眠をしっかりととり、体力を回復しよう。

 さあ、今度はどんな事をしてあげようか。

 そう思いながら、僕は深い眠りについた―――――――――



 
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