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その瞳に…
第37章 日常の中の非日常
 それじゃあ、と早百合は備え付けのドレッサーから櫛を取り出し、舞奈の髪を軽く整え、櫛と一緒にしまってあった、シュシュで軽くまとめる。

 「これなら、大丈夫でしょ?」

 確かに、これならボサボサの頭が見られる事なく、二人の前を通れると思い、舞奈は早百合にお礼を言う。

 「良いのよ、これくらい。さ、お腹も空いたでしょう?ご飯準備してあるから、シャワーから出たら食べましょう」

 と、早百合は舞奈にバスルームの場所も伝え、部屋から出て行く。

 一人取り残された舞奈は、急いで服を着替え、なんとなく、静かにドアを開ける。

 「舞奈、おはよう」

 舞奈が部屋から出てきたのを一番に見つけた大河は、普段と変わらない笑顔で舞奈を見つめる。

 大河と視線があった瞬間、視線の端に成滝が舞奈に振り向くのが見えた為、恥ずかしくなり舞奈は大河からすぐに視線を反らし、俯く。

 「おはようございます・・・あの、シャワー浴びてきます」

 舞奈は、なるべく大河達の視界から逃れたく、早口で挨拶をしリビングを横切った。

 リビングを出た後、成滝の笑いが耳に聞こえないほど、舞奈は恥ずかしさで頭が一杯だった。

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