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その瞳に…
第37章 日常の中の非日常
 バスルームについた舞奈は、洗面所にあるアメニティが目に入る。

 それは、『舞奈ちゃんへ 好きに使ってね』 と女性の字で書かれたメッセージカードが添えられていた。

 「えっ!?こんな高そうなの良いのかなぁ・・・」

 アメニティを手に取ると、とてもじゃないが高校生が普段使用するには高すぎる有名なメーカーのばかりだった。

 けれど、今の舞奈ではこんな高いのを使う機会など滅多に無い為、ありがたく使わせてもらう事にした。

 鏡の前で、着たばかりの服を脱ぐ。

 早百合がせっかく綺麗に畳んでくれていたので、ここで皺を作るわけにはいかないと、舞奈は服を綺麗に畳み、籠へ移す。

 (そういえば・・・)

 昨夜の行為を舞奈はフっと思い出す。

 自分の目の前で繰り広げられた、成滝と栄子の行為。

 (栄子さん、凄い綺麗な体してたな・・・)

 形の良く、張りのある大きな胸と、細くくびれた腰。

 鍛えているのだろうか、うっすらと見えた腹筋。

 けれど、けして女性的な柔らかさを残したしなやかな身体。

 舞奈は、フと鏡に映る自分の体を見る。

 そこに写るのはみなれた自分の体。

 無数についたキスマークは、制服を着れば見えない箇所に付けられ、乱暴ながらも大河が気を使ってくれていた事が解る。

 (もうちょっと、身長があればなぁ・・・)

 早百合や栄子と違い、胸ばかり大きく、低い背と、あまり長くない手足に、自分の体のアンバランスさを覚える。

 くびれも、あると言えばあるが、栄子のようにはっきりとした美しいくびれではなく、舞奈は無意識に腰のお肉を掴む。

 (う・・・太ったかも・・・)

 昨夜成滝の店で、ディナーを沢山食べた上、こちらへ移動してからも、かなり食べた記憶が蘇る。

  気をつけていないと、すぐに太る体質の舞奈は、明日からダイエット頑張ろうと決心し、取りあえずシャワーを浴びた。

 
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