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その瞳に…
第8章 日常
「何で!どうして!どこまで!?」

舞奈は由実に詰め寄る。
そんな由実はニヤニヤしながら、スマホの画面を舞奈に見せた。

『From 啓介

舞奈が大好きな先生にうちの店から拉致されちゃった♪
そんな訳でうちに泊まる口裏ヨロ☆
ついでにお兄ちゃんも朝帰りしまーす!
あ、舞奈にうちに寄るように言ってあるから、来 たら俺が帰ってくるまで引き留めておいてね~』

(啓ちゃん…)

舞奈は啓介の文章にガックシと項垂れる。

「ま、そんな訳だ。あ、コーヒーでも飲む?」

舞奈は項垂れながらも頷く。
そんな時、玄関の開く音が聞こえた。

「たっだいま~!舞奈いる?」

ハイテンションで啓介が帰って来た。

「けーちゃーん!」
「あ!舞奈!どうだった!上手くいった!?」

にらみつける舞奈を余所に、啓介はわくわくと舞奈に詰め寄る。

「お陰様で上手くいきました!って言うか、由実へのあのメール何!恥ずかしいじゃん!」

「え~?だって由実も知ってたほうが後々楽だし?」

啓介の言葉に、舞奈は意味が解らなかった。

「学校の先生なんて、友達には話せないじゃん?でも、1人で抱え込むのも辛いしね。俺と由実が知れば、なんかあったとき話せるでしょ?」

友達に話せない―――

舞奈は、恋人に馴れた事が嬉しくてその事を忘れていた。
大河が赴任している間は、親友の絵麻にさえ話せない。
ましてや、学校にバレたら大河の教師生命も危うい。
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