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その瞳に…
第12章 誓い
車は山道とくねくねと登り、やがて開けた場所に出る。

「うわぁ…」

そこはお城のような古い洋館が、建っていた。

車をシャッターか開いているガレージに停め、二人は降りる。

ガレージを出ると、シャッターは自動的に下がって行った。

「ここは成滝の恋人が経営してるホテルでね。完全予約制で、利用する人が顔を会わせないように時間を調整してるらしいんだ」

説明しながら入り口に向かう大河の横を、舞奈はうんうんと聞きながら歩いた。

「まぁ、だから結構有名人物とかが利用するらしいよ」

「え!?じゃあ、凄く高いんじゃ…」

舞奈が驚きの声を発すると、入り口の扉が開いた。

「そんな事ありませんわ」

扉からは、白のワイシャツに黒のタイトスカート姿の女性が現れた。

「山村様、お待ちしておりました」

丁寧にお辞儀をし、ニコリと女性は微笑む。

目が覚めるような美女とは、こんな感じだろうか…と、同性の舞奈でさえ見惚れる美しいさの女性だった。

「どうぞ此方へ」

女性に促され、ホテルに足を踏み入れる。

「う、わぁ…」

舞奈は、本日何度目か解らない感嘆の声を上げる。

テレビでしか見たことがない、西洋のお城のような造り。

床には真っ赤なビロードの絨毯。

目の前にはシンデレラで見たような大きな階段。

天井は二階まで吹き抜けになっており、大きなシャンデリアがキラキラと光りを放っていた。

(なんか、お姫様になった気分…)

此方へと、女性に促されるが、舞奈はあまりの豪華さにあしが鋤くんでしまい、大河の腕に抱き着きながら歩いた。

コツコツと足音をならしながら、女性は話し始める。

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