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優しい彼の悪魔の顔
第4章 嘘
「お願い、リョー。言うこと聞くから、だから、それだけはやめて」

「ほんとに?」

ミコは必死に頷く。



これ以上、屈辱的なことはされたくない。



リョーはにこりと笑うと、もういらないね、と言いながらミコの手足の拘束を外した。

ミコはやっと自由な体になり、ベットの上で自分の体を抱きかかえる。


「じゃあミコ、切らないからさ、全部自分で脱いで、そこに寝て」

ミコはもう今更な気分で、ブラウスを脱ぎ、肩に残ったブラを外した。

そして、少し躊躇いながらもスカートも脱ぐ。

残されたのは、黒いミコには大人っぽすぎるパンツ一枚。
リョーはなにも言わずに、ただソファでミコに背を向けたままワインを飲んでいる。



リョー、どれだけ飲んでるんだろ。
こんなにお酒飲んでるのに、まったく酔ってない。

酔っていてくれれば、お酒の勢いでごまかせたのに。



ミコは最後の一枚を脱ぐ勇気が持てずに、考えてしまっていた。




ミコの手が止まった気配に、リョーが振り向く。
「まだ?」

「あ、ごめんなさい…」



ミコは下着に手をかける、が。
さっきまで背中を向けていたリョーが、振り向いたままミコの様子を見ている。

さっきと同じ、楽しそうな顔で。





ミコは、どうにでもなれ、と最後の一枚をおろした。
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