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優しい彼の悪魔の顔
第5章 お仕置き その2
しばらくすると、インターホンが鳴った。

なんとかギリギリ準備の間に合ったミコは扉を開ける。

目の前にはTシャツにジーパンとラフな格好をしたリョーが立っていた。



「こんばんは。はい、忘れ物」
そのままリョーはミコに携帯を渡す。

「ありがと、わざわざ、ごめんね。あと、その…」
「ん?」
「お礼のコーヒー…」

ミコはメールの最後の言葉を思い出す。
コーヒー、家で飲むってことかな?
また、二人きりになるのかな。

ミコは複雑な心境を悟られないようにしながら、リョーの顔を見上げる。

「ん?ああ、ここまで来てすぐに帰るのもって思ってコーヒーって書いちゃったけど。
んー、コーヒーってよりは飯の時間だなぁ。
ミコご飯もう食べた?」
「まだ…」
「ほんと?じゃあ夕飯食べに行こうよ、俺もまだだし。それともなんか予定ある?」
「ないけど」
「じゃあ行こ行こ。そのまま家出れる?」
「うん、ちょっと待ってて」


じゃあ車で待ってるよと玄関から立ち去ったリョーを見送ると、ミコはしばらく考えこんだ。


やっぱりリョーはいつもと一緒。
うん、ご飯くらい、大丈夫。

ミコは鞄に携帯をしまうと靴をはき、リョーの元へと向かった。
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