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優しい彼の悪魔の顔
第2章 彼の部屋
リョーの部屋は想像と全く違っていた。
玄関を入ってすぐに大きくはないキッチン。
そこから扉を開けると、20畳以上はありそうな広い部屋。
コンクリートを打ち出したままの壁。
フローリングの床。
壁の隅には大きなテレビ。
ローテーブルと3人掛けくらいのソファー。
反対の壁側には、セミダブルくらいのベッドとその脇に棚があるだけ。
「すごい、意外。シンプルなんだね」
予想外の部屋にミコはキョロキョロと見渡しながら呟く。
「そう、デザイナーマンションってやつ?一回住んでみたくてさ。でもこういう部屋に色々置いたら微妙かなぁ、と思ってちょっと背伸びしてみた。
あ、適当に座ってていいよ、グラス持ってくるから」
ミコはソファーに座りながら、落ち着かない。
何もない。
あるわけない。
でも、背中にベッドの存在を感じる。
この部屋以外には部屋もないみたいだし、当たり前だけれども。
ベッドがある、というだけでどうしても意識してしまう。
そんなミコの様子に気がつくこともなくリョーはグラスを机に置くと一人分の距離を開けてミコの隣に座った。
「じゃあ、1カ月お疲れ様でした。乾杯」
グラスにビールを注ぎ、二人で飲む。
ミコはおとなしそうな見た目と違い、お酒に強い。
大学の友人と何度か飲んだことがあるが、周りの友人のように顔を赤くすることも、テンションがあがることもなかった。
それでも今日は、この空気のせいだろうか。
空きっ腹に飲んでしまったから?
グラスを二杯ほど空けた頃にはふわふわとした気分になっていた。
隣のリョーも、少し顔が赤い。
ぼーっとした気分でリョーの横顔を見つめていると、視線に気がついたリョーが振り向いた。
「あれ?顔赤いよ。ミコ、酔ってる?」
「大丈夫、お腹空いてるのに飲んだからかな、暑くなっただけだよ。なんか食べれば平気」
ミコがテーブルのつまみに手を伸ばそうとした瞬間。
リョーの手がミコの頬を包んだ。
「ほんとだ、熱いね」
リョーは目尻を下げながら、笑った。
玄関を入ってすぐに大きくはないキッチン。
そこから扉を開けると、20畳以上はありそうな広い部屋。
コンクリートを打ち出したままの壁。
フローリングの床。
壁の隅には大きなテレビ。
ローテーブルと3人掛けくらいのソファー。
反対の壁側には、セミダブルくらいのベッドとその脇に棚があるだけ。
「すごい、意外。シンプルなんだね」
予想外の部屋にミコはキョロキョロと見渡しながら呟く。
「そう、デザイナーマンションってやつ?一回住んでみたくてさ。でもこういう部屋に色々置いたら微妙かなぁ、と思ってちょっと背伸びしてみた。
あ、適当に座ってていいよ、グラス持ってくるから」
ミコはソファーに座りながら、落ち着かない。
何もない。
あるわけない。
でも、背中にベッドの存在を感じる。
この部屋以外には部屋もないみたいだし、当たり前だけれども。
ベッドがある、というだけでどうしても意識してしまう。
そんなミコの様子に気がつくこともなくリョーはグラスを机に置くと一人分の距離を開けてミコの隣に座った。
「じゃあ、1カ月お疲れ様でした。乾杯」
グラスにビールを注ぎ、二人で飲む。
ミコはおとなしそうな見た目と違い、お酒に強い。
大学の友人と何度か飲んだことがあるが、周りの友人のように顔を赤くすることも、テンションがあがることもなかった。
それでも今日は、この空気のせいだろうか。
空きっ腹に飲んでしまったから?
グラスを二杯ほど空けた頃にはふわふわとした気分になっていた。
隣のリョーも、少し顔が赤い。
ぼーっとした気分でリョーの横顔を見つめていると、視線に気がついたリョーが振り向いた。
「あれ?顔赤いよ。ミコ、酔ってる?」
「大丈夫、お腹空いてるのに飲んだからかな、暑くなっただけだよ。なんか食べれば平気」
ミコがテーブルのつまみに手を伸ばそうとした瞬間。
リョーの手がミコの頬を包んだ。
「ほんとだ、熱いね」
リョーは目尻を下げながら、笑った。