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優しい彼の悪魔の顔
第8章 電話
ミコは家に帰ると、少し熱めのシャワーをゆっくりと浴びる。
疲れたときには、これが一番。
もっとも湯船につかったほうがいいのだが、初夏を迎えた今の時期は風呂上がりに汗をかいてしまうので、ミコはシャワーだけですましてしまう。
髪を乾かすこともせず、ベッドにもたれながらビールを飲む。
暇を持て余してテレビをつけても、毎度変わらずタレントや芸人が何が面白いのかわからないバカ騒ぎをしているだけ。
「はぁ〜、つまんないなぁ」
ミコは携帯を手に取る。
電話帳から、リョーの名前を探し出す。
このボタンを押せば、リョーにつながる。
けれど、ミコはその画面をすぐに消した。
あんなことされたのに。
ミコはリョーからの連絡を待っていた。
何を期待しているとか、したいとかじゃない。
ただ、一ヶ月ほとんど毎日顔を合わせていたのに。
あんなに濃い時間を過ごしたのに。
パタリとリョーの存在がミコの生活から抜け落ちてしまった。
どうしても何かが物足りない。
そしてミコはあの日のリョーを思い出す。
ミコをかわいいと言いながら頭を撫でてくれた。
その手で、その口で。
ミコの体に強烈な痕跡を刻みつけた。
「んん」
リョーのあの顔。
思い出すと、体が熱くなる。
じわっとミコの中から何かが溶け出していくような、それでいて甘い感覚。
ミコは無意識に、一番熱くなった部分へ手を伸ばした。
疲れたときには、これが一番。
もっとも湯船につかったほうがいいのだが、初夏を迎えた今の時期は風呂上がりに汗をかいてしまうので、ミコはシャワーだけですましてしまう。
髪を乾かすこともせず、ベッドにもたれながらビールを飲む。
暇を持て余してテレビをつけても、毎度変わらずタレントや芸人が何が面白いのかわからないバカ騒ぎをしているだけ。
「はぁ〜、つまんないなぁ」
ミコは携帯を手に取る。
電話帳から、リョーの名前を探し出す。
このボタンを押せば、リョーにつながる。
けれど、ミコはその画面をすぐに消した。
あんなことされたのに。
ミコはリョーからの連絡を待っていた。
何を期待しているとか、したいとかじゃない。
ただ、一ヶ月ほとんど毎日顔を合わせていたのに。
あんなに濃い時間を過ごしたのに。
パタリとリョーの存在がミコの生活から抜け落ちてしまった。
どうしても何かが物足りない。
そしてミコはあの日のリョーを思い出す。
ミコをかわいいと言いながら頭を撫でてくれた。
その手で、その口で。
ミコの体に強烈な痕跡を刻みつけた。
「んん」
リョーのあの顔。
思い出すと、体が熱くなる。
じわっとミコの中から何かが溶け出していくような、それでいて甘い感覚。
ミコは無意識に、一番熱くなった部分へ手を伸ばした。