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優しい彼の悪魔の顔
第9章 視線
「おじゃま、しまーす」

ミコが玄関で靴を脱ぎ、廊下に足を進めたとたん。

「んん!」

後ろから強引にミコを抱きしめる。

「や、リョー、痛いっ、んっ」

腕の中でもがこうとしたミコの唇をリョーの唇が塞ぐ。

ゴトッ

ミコの鞄が床に落ちた。




リョーはそのまま、片手をミコの胸に、もう片方の手でミコのスカートをたくし上げていく。

「やっ、待って…」

リョーの唇が離れると、ミコはその腕から逃げようとする。
けれど、今度は耳にリョーの息がかかる。

ゾクッ

鳥肌がたち、一瞬力が抜ける。
そんなミコを見て、リョーは耳に息を吹きかけた。

「ね、早く、俺にかわいがってもらいたかったんでしょ?」

「なに、いってるのっ、離して…」

「だーめ。俺を無視するんだもん。ちょっと俺、怒ってんだよねー」


怒っていると言いながら、笑顔のリョー。

ミコは、まただ、とこれから起こるであろうことに、鳥肌がたった。
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